そして半年後、逆流が見つかる。
前回の記事の通り、
1歳になった頃に診て頂いた検診では
穴が厚くなって塞る動きがある
とのことで「次は半年後に診ましょう」
と言われすっかり安心しきっていた半年でした。
次に行く頃には塞がっているだろうと疑わず、何も心配なく過ごしていました。
1歳半になり、経過観察の検診のため
S医大に行きました。
レントゲン・心電図を取ってから診察室へ。
聴診器を当ててる時間がいつもより長い。
エコー検査で見てる時間が長い。
嫌な予感がしました。
その予感は的中し、先生は
「心室中隔欠損症の穴から逆流が見られる。
手術をした方がいい」
とおっしゃいました。
予想もしていなかった先生の言葉に私たちは言葉を失い、奈落の底に落とされたような気持ちになりました。
塞ると言っていたのに、
安心しきっていたのに
まさかの手術
頭がただただ真っ白になりました。
先生いわく、
聴診器をあてたときにいつもの雑音の他に「ピュッ」という音が明らかにしたと。
その後、エコーを見てハッキリと逆流が確認出来たと。
大動脈弁の近くの穴のため、
このまま放っておくと弁が穴に吸い込まれ変形し、1番最悪なのは弁がダメになってしまうこと。
そうなると、弁を交換しなくてはならず、人工弁になってしまうと一生お薬を飲み続けなくてはいけないこと(血が固まらないように)、
また体は成長しても弁は成長しないので
大きくなるごとに手術をして弁をつけかえなくてはいけないとおっしゃいました。
そしてそうならないために今、心室中隔欠損症の穴を塞いでしまえば穴は閉じ逆流もなくなくり、普通の子と同じように一生を過ごせる、本人が望めばプロアスリートにだってなれるとのことでした。
そう聞けば手術をした方がいいに決まってる、
むしろしない理由が見つからないのですが、
心臓の手術というリスクのあることを
その場で即答することは出来ませんでした。
心臓を一度止めるという恐ろしさ
とても元気で何の病状も患っていない娘の体をあえて危険にさらすこと
失ってしまうかもしれない怖さ
どれを取っても「お願いします!」とは言えませんでした。
先生は続けておっしゃいました。
「手術をしなくてはいけないのだけれど、
この病院には小児の心臓外科医がいないから紹介状を書くので転院しなくてはいけない。
新しい病院でもう一度診てもらい、手術について指示を仰いてください」
と。
そのことにもビックリでした。
こんなにも大きな病院(とても大きく有名な総合病院です)なのに手術出来る先生がいないなんて・・
聞くところによると小児の心臓を手術出来る医師というのは日本では本当に少なくて場所も限られるとのこと。
そこで、ここから近い3つの病院を提示して頂き今選んで欲しいとのこと。
ただ、先生は同じ系列のS医大の大元の病院を薦めてきました。アクセスがすごく悪いのが気になりましたが先生がすごく薦めてこられたので(系列だから頼みやすいのでしょうが)
その病院の紹介状を渡され病院をあとにしました。
この診察日は4月24日。
新しいS医大での外来の日は5月7日とのことでした。
これで本当に良かったのか私たちは考えました。
お互いの両親にも伝えました。
ここで私たちは、初めてちゃんと自分たちで沢山調べるようになりました。
主治医の先生がいつもニコニコして「大丈夫!大丈夫!」とおっしゃっていたので完全に任せきりで安心していたことを恥じました。
この子の親である私たち以上にこの子を想ってる人は居ません。
なぜ最初からちゃんと調べなかったのか悔やまれますが私たちは症状から病院選びまで自分たちで調べることにしました。