失敗 カテーテル検査〜前半〜

T小児医療センターでの初診からなんと4日後にカテーテルの検査入院となった娘。


一刻も早く手術を、という気持ちでいたのでこのスピード感はとても有り難かったのですが、親子共々心の準備が出来ていませんでした。


失敗編なのでさらっと書こうと思います。


まずカテーテル検査というものが何かも分かっていない、何も知らない状態で入院のための準備だけをしました。


カテーテル検査のために2日も前から入院する(3泊4日)ことにも疑問を持っていました。

迎えた入院当日。


朝から娘に鼻水の症状が。このまま入院していいのかと不安に思いましたが、カテーテル検査が伸びてしまえば手術も伸びる、と思いそのまま言われた通り13:00に入院受付をしました。


娘が入院する病棟に通されました。


大きな病院で、娘の入院する病棟(6階フロアの7区画あるうちの1区画です)は同じ心臓病の子だけのフロアのようです。

看護師さんから入院中の説明があります。


そこでなんと入院中は娘はこの病棟から出てはいけないと伝えられます。


1歳半。動きたい遊びたい盛りです。


普段は毎日、午前・夕方と遊びに連れ出していました。


まさかこのフロアから出れないなんて。そのことにショックを受けてしまいました。


もちろん私が食事やシャワーに行くにも娘だけを病棟に置いていかなければなりません。娘はまだ1歳半。

「待っててね」と言って待っていられる歳ではありません。


家族のサポートが必要です。


そして、プレイルームというとても魅力的な子供の遊び場がありました。

とても広く、大きなお家があったりキッチンやおもちゃも沢山。ここを使えると聞き少し安心しました。


しかし、安心したのもつかの間。


なんと娘の鼻水を見て看護師さんが

「風邪引いてる子は他の子に移ってはいけないのでお部屋のカーテンを閉めた中から出れません」と。


1歳半です。動きたい。遊びたい盛りです。


娘は心臓病ではあるけれど本人には何の症状もなくとても元気です。


4日間病棟から出れないだけでもショックだったのにさらにベッドの柵からも出してあげられないなんて。


病院慣れしてしまった今なら当然だと思えるのですが、まだ何の心の準備も出来ていない私は自覚が足りず、猛反発してしまいました。


しかし、ここは心臓の手術を控えている子供たちが入院している病棟。


エスと言われるわけありません。


自分が無力で、娘にも可哀想な思いをさせてしまう申し訳なさで涙がこぼれました。


案内されたお部屋は4人部屋の窓側。


部屋についた途端、娘は足に心電図モニターをつけられました。嫌だと泣きましたが次第に気にしなくなりました。


初日は病棟を出て1階のレントゲン室や心電図など検査があって病棟から出れたのでベッド柵から出れない辛さは少し紛れたかもしれません。


ただこのあのと長い時間を思うと胸が痛かったです。


その後、カテーテル検査について詳しく主治医から説明を受け(説明を受けてる間は一緒に来てくれていた私の母に病室で見ててもらいました)

夜ご飯をあげる頃に主人が病室に到着。


ベッド柵から出れない娘を思ってアンパンマンの新しいおもちゃを買ってきたのと、家にある沢山のおもちゃを持ってきました。


そして夜ご飯後、悲劇は起こるのです。

新しい病院での初診。

心室中隔欠損の穴から逆流が見られる

とS医大の前主治医に伝えられ、

紹介状を渡され、

新しい病院、都立の小児専門の病院

T医療センターの初診予約が取れたのは宣告をされてから約1ヶ月後でした。


逆流が酷くならないかそんなに待っても大丈夫なのか気が気でなかったのと


もしかしたら前主治医とは違う診断になるかも?と少しの期待も抱えながら1ヶ月を過ごしました。


そして迎えた初診。


主人はもちろんのこと、私の父や主人のお父さんも一緒に来ました。


病院の大きさと綺麗さに感動しつつ

初めての病院でのこれから主治医になる先生との対面を緊張しながら待ちました。


まずはレントゲンと心電図。

その後に先生の診察を受けました。


先生は若く、そして真面目そうな方でした。

前主治医のような冗談交じりの会話にはなりそうもない、楽観的な先生ではなく真面目な先生でした。

これが心臓外科のある病院とない病院の違いなのか分かりませんが、とにかく安心して任せられそうな先生で安心しました。


先生がおっしゃったことは


「レントゲン結果により心臓がこの年のお子さんよりも大きい割合を占めている。

外科的治療が必要なお子様であることは間違いないと思います。」


とのことでした。


S医大で1ヶ月前に診て頂いたときは約57%(55%までが正常範囲内とのこと)今回は約60%

ほどに大きくなっていました。


その後、心エコーをしっかり診て貰い

その結果、


心室中隔欠損症、大動脈弁逸脱」


との診断がされました。


恐れていたことが起きていました。


逆流が起きている穴に、すぐ近くの大動脈弁が引きずりこまれ、弁が変形してしまっているとのことでした。


すぐに手術をしないと、これ以上弁が変形し、使えなくなってしまったら弁置換といって弁を人工のものに替えなくてはならなくなるとのこと。

その場合一生血液が固まらない薬を飲まなくてはいけかったり、弁は大きくならないので成長に合わせ弁を交換していかなくてはならないとのこと。


私たちは真っ青になりました。

すぐに手術をして欲しいと思いました。


ただ、いきなり心臓の手術!というわけにはいかなく、まずは


カテーテル検査

をして、心臓や血管をすみずみまで調べてから外科の先生と手術方法を決めてから手術になるとのことでした。


つまり、

心臓手術のためのカテーテル検査というハードルをまずはクリアしなくてはいけない。


カテーテル検査も日帰りではなく、そのための入院を3日前からし全身麻酔で行うとのこと。


そして早速翌週カテーテル検査入院が決まりました。

翌週というスピード感にただただ感謝をするばかりです。


それとともにやはり

逆流が見られてからのこの1ヶ月のロスは大きかったのだと、ただただ後悔するばかりです。

転院。

心室中隔欠損より逆流が見つかり、

手術が必要だと分かった私たちはとにかくたくさん調べました。

 

こんなに元気なのに手術なんてしなくてもいいのでは!?とも初めは思いましたが、やはり逆流というのは一つの目安のポイントで逆流が見つかったら手術をしなくてはいけないのは間違いなさそうです。

それと、約半数の人が1年以内に自然に閉じる


とありましたが、

 

・穴が大きすぎる場合

・大動脈弁の近くの場合 

 

は塞がりずらいとも書いてありました。

塞がりずらい場所と分かっていたなら、経過観察は辞めて今後のことを考え、早めに手術をして欲しかった。

今でもそう思い、後悔をしています。


そして大動脈弁の近くの逆流がやはり危険なことも再確認し、娘の命を預ける病院を探すことにしました。


もちろん先生に紹介して頂いたS医大でも申し分はないのですが、命に関わる手術なのでより安心して任せられる病院を探しました。


そこで見つけたのは

子供の病気だけを専門に取り扱っている

都立 小児医療センターでした。


小児の心臓血管外科の先生がいらっしゃることはもちろん


娘と同じ心室中隔欠損症の手術を昨年手がけた症例がどの病院よりも格段に多かったこと、


もともといくつかあった都立の小児病院を閉鎖してこちらの病院1つにまとめたため、東京都の小児のお医者様が沢山集まり、そこでチームとして全員で見てくれること


そして、家からのアクセスも良かったことが決め手でした。


もちろん紹介状が必須となるため、

もとのS医大の先生にもう一度話し、新しく紹介状を作り直して頂きました。


先生が薦めてくださった病院をキャンセルして自分たちで決めた病院の紹介状に書き直して貰うので正直とても気まづかったです。


「症例なんてどの病院も同じようなものだ」とも言われました。

だけど押し切って小児医療センターにして本当に良かったと思っています。

 
娘の命がかかってる、と思ったら先生にどう思われようと、気まずくなろうと、自分たちで納得のいく病院で手術をしたかったのでこれで良かったと思っています。


早速紹介状を手にして病院に電話をするのですが、

流石に大人気の病院のため


初診予約が3週間後・・。

娘は既に逆流が始まっているというのに3週間も待って大丈夫なのだろうか?


病院の受付の方に聞きましたが、

「受付ではこの日しか取れないので、もしどうしても早めたいというのであれば、紹介元の病院の先生から直接うちの医師に伝えてもらえれば早くなるかもしれません。」

と言われたので、


再度、気まづい思いを押し殺し元の主治医に電話にて伝えましたが、


「それくらい(3週間程度)なら全然平気!」と言われてしまい、取り合って頂けませんでした。。


そのせいなのか、既に手遅れだったのか分かりませんが、

小児医療センターの初診にて

私たちは地獄へ突き落とされたような気持ちになるのですが・・・。

そして半年後、逆流が見つかる。

前回の記事の通り、

1歳になった頃に診て頂いた検診では

穴が厚くなって塞る動きがある

とのことで「次は半年後に診ましょう」

と言われすっかり安心しきっていた半年でした。


次に行く頃には塞がっているだろうと疑わず、何も心配なく過ごしていました。


1歳半になり、経過観察の検診のため

S医大に行きました。


レントゲン・心電図を取ってから診察室へ。

聴診器を当ててる時間がいつもより長い。

エコー検査で見てる時間が長い。

嫌な予感がしました。


その予感は的中し、先生は


心室中隔欠損症の穴から逆流が見られる。

手術をした方がいい」

とおっしゃいました。


予想もしていなかった先生の言葉に私たちは言葉を失い、奈落の底に落とされたような気持ちになりました。


塞ると言っていたのに、

安心しきっていたのに

まさかの手術

頭がただただ真っ白になりました。


先生いわく、

聴診器をあてたときにいつもの雑音の他に「ピュッ」という音が明らかにしたと。

その後、エコーを見てハッキリと逆流が確認出来たと。


大動脈弁の近くの穴のため、

このまま放っておくと弁が穴に吸い込まれ変形し、1番最悪なのは弁がダメになってしまうこと。

そうなると、弁を交換しなくてはならず、人工弁になってしまうと一生お薬を飲み続けなくてはいけないこと(血が固まらないように)、

また体は成長しても弁は成長しないので

大きくなるごとに手術をして弁をつけかえなくてはいけないとおっしゃいました。


そしてそうならないために今、心室中隔欠損症の穴を塞いでしまえば穴は閉じ逆流もなくなくり、普通の子と同じように一生を過ごせる、本人が望めばプロアスリートにだってなれるとのことでした。


そう聞けば手術をした方がいいに決まってる、

むしろしない理由が見つからないのですが、

心臓の手術というリスクのあることを

その場で即答することは出来ませんでした。


心臓を一度止めるという恐ろしさ

とても元気で何の病状も患っていない娘の体をあえて危険にさらすこと

失ってしまうかもしれない怖さ

どれを取っても「お願いします!」とは言えませんでした。


先生は続けておっしゃいました。

「手術をしなくてはいけないのだけれど、

この病院には小児の心臓外科医がいないから紹介状を書くので転院しなくてはいけない。

新しい病院でもう一度診てもらい、手術について指示を仰いてください」

と。


そのことにもビックリでした。

こんなにも大きな病院(とても大きく有名な総合病院です)なのに手術出来る先生がいないなんて・・

聞くところによると小児の心臓を手術出来る医師というのは日本では本当に少なくて場所も限られるとのこと。

そこで、ここから近い3つの病院を提示して頂き今選んで欲しいとのこと。


ただ、先生は同じ系列のS医大の大元の病院を薦めてきました。アクセスがすごく悪いのが気になりましたが先生がすごく薦めてこられたので(系列だから頼みやすいのでしょうが)

その病院の紹介状を渡され病院をあとにしました。


この診察日は4月24日。

新しいS医大での外来の日は5月7日とのことでした。


これで本当に良かったのか私たちは考えました。

お互いの両親にも伝えました。


ここで私たちは、初めてちゃんと自分たちで沢山調べるようになりました。


主治医の先生がいつもニコニコして「大丈夫!大丈夫!」とおっしゃっていたので完全に任せきりで安心していたことを恥じました。


この子の親である私たち以上にこの子を想ってる人は居ません。

なぜ最初からちゃんと調べなかったのか悔やまれますが私たちは症状から病院選びまで自分たちで調べることにしました。

  

経過観察が続く。

心室中隔欠損症の娘の穴が空いている場所が

大動脈弁の近くという危険な場所に空いていると告げられたものの、本人はとても元気にすくすくと成長し、体重や身長も平均をキープ。

成長スピードも周りのお友達よりも早く、

母乳もよく飲み離乳食もよく食べて沢山笑う、とても元気な子へと成長していきました。


経過観察は最初は主治医の先生が産院に外来に来られる日に合わせて診てもらっていましたが、次第に先生が勤めているS医大に行き診てもらうようになりました。


心室中隔欠損症に関連する症状は何もなくとても元気に育って行きましたので普段は心臓に穴が空いていることを忘れてしまうほどでした。


経過観察のエコーによる定期検診は最初は1ヶ月・次第に3ヶ月ごととなっていきました。


よく、1年以内に自然に穴が閉じる

と聞くので毎回期待はしてエコー検査に臨むのですが閉じてると言われることはありませんでした。

 

ただ、エコーの見え方によるのか、

穴が1~2ミリだと言われ、最初は3~4ミリと言われていたので小さくなっていってる!

と思い主人と喜び合っていました。

このまま閉じていくのだと信じていました。


1歳になった頃に行った3ヶ月後の検診では

「穴はまだ閉じていないのだけれど

穴の周りが厚くなっていて穴が閉じるような動きをしている。もちろん大動脈弁の近くという危険があるから注意して診ていかなければいけないことには変わりはないけど、

次は半年後で問題ないでしょう

と言われました。


夫婦で喜び合いましたが、

半年、この半年。。

まだ1年しか生きていない娘の半年とは、どれだけ長いか。

後悔してもしきれない半年という長い期間でした。。

 

穴の空いている場所。

心室中隔欠損症のお子様をお持ちなら

すぐにピンと来るかと思いますが

心室中隔欠損症で気をつけるポイントは2つ。


■穴の大きさ

■穴の空いている場所


逆にこの2つが問題なければ

一生経過観察で何も問題ないかと思います。


産院で退院日に告げられたように

心室中隔欠損症と判明した娘は

その10日後に再び産院に行き

外来で来ているS医大の心臓専門の循環器のお医者さまに診てもらうこととなりました。


検査方法はエコー。

妊娠時にお腹の中を見ていた機械と同じです。

心臓部分にぬるぬるした液体を最初に塗り

機械を心臓に当て画面でリアルタイムで心臓や血の流れを見ることができます。


そこでお医者様より告げられたことは

穴の大きさは2~3ミリで小さいので

心不全などの心配はない(何より本人がとても元気)

ただし、穴の空いている場所が問題で

大動脈弁のすぐ近くに穴がある

ということ。 

空いている穴からは常に血が流れていて、その穴に大動脈弁が引きずりこまれたら大変なのでそこをよく注意して診ていく必要があるとのこと。

なのでこれからも経過観察が必要とのことで次は1ヶ月後にまた行くということになりました。


今後悔しているのは、この穴の場所に空いているケースについてもっとよく調べれば良かったということ。

 

先生の話だけを全て信じて任せきりにするのではなく、この子の親である私たち両親がもっと沢山自分たちでも調べたりすれば良かったということ。

 

どうか、心室中隔欠損症のお子様をお持ちの親御様、お子様の穴の大きさ・位置についてご自身で納得いくまで調べて欲しいです。

後から後悔しても取り返しのつかないことになってしまいますので。

心室中隔欠損症と診断されて。

まず、こちらのブログを読まれてる方に

心室中隔欠損症がどういったものかという説明は不要かと存じますので、

病状については割愛させて頂きます。

 

娘は2016年の秋に生まれました。

3150g 女の子。

出産した病院では母子同室でしたので

出産後のダメージを負った身体のまま

24時間の慣れない育児が始まり、

今後の生活に期待よりも不安が頭いっぱいの時にそれは告げられました。

 

退院日に耳が聞こえてるか、光が見えてるか、などの検査があるので連れてかれた娘が

なかなか帰って来ず、先生たちと一緒に帰ってきた時にはびっくりしました。

 

先生がおっしゃったことは

想像もしてなかった予想外のことでした。

 

「聴診器を心臓に当てたところ少し雑音が聞こえる」

「え?」

 

それが何を指すのか私には全く分りませんでした。

先生は続けました。

 

「左心室と右心室の間に穴が空いている」

「穴は4〜5ミリ、中くらいである」

とのこと。

 

心臓という1番大切な臓器に穴が空いているということ、その病状を全く知らなかった私は頭が真っ白になり涙が出てきました。

 

ただ先生が私の不安を和らげるように

「学年に1人はいる、よくある病気」

「心臓の先天性の病気で引っかかるのはみんなこの病気」

「1年以内に自然に閉じる子が沢山いる」

「昔はこんな検査なくて穴が空いたまま知らずに年老いて一生を終える人たちも沢山いた」

「今すぐに手術が必要なわけでもなく、何か薬や制限があるわけでもなく通常のこと同じ暮らしができる」

とおっしゃってくださいました。

 

ただ、ミルクが飲めなくなってしまったり、体重が増えなくなってしまったら危険な状態だから体重の増加に気をつけるとのこと、

こちらの産院の小児科では月に二度と、

S医大の心臓の専門医の先生が外来に来られるからその先生に診てもらうといいとおっしゃられ、

1ヶ月検診より前の退院後10日後に再び産院の外来に行くこととなりました。